2017.01.24

実務で活かす労働法!社長、労働基準法を1から勉強しませんか?

第3回 労働基準法第5条、第6条


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経営者の皆様、こんにちは!弁護士の栗田 勇です。
先日、「世界が変わる時、変えるのは僕らの世代でありたい」という本を読みました。その本の一節を紹介しますね。
「社会はそんなに甘くない、だからお前も地に足をつけて生きろ、俺だって色々と諦めたんだ! なんて意見、ほんと糞。知らんがな‼ 頼むから足引っ張るなって思うよ。」(106頁)
社会はそんなに甘くない、夢なんか捨てろ、みたいなことを言う人、今どきいます?少なくとも僕のまわりにはいないですが・・・。むしろ、「夢しか叶わない」って本気で思っている人のほうが圧倒的多数じゃないですかね。
「だからお前も地に足をつけて生きろ、俺だって色々と諦めたんだ」(笑)
ださくて、とても言えません。みなさんも、「社会はそんなに甘くない」なんて、ださいことを言うのはやめましょうね(笑)
では、労働基準法第5条を見ていきましょう。

第5条(強制労働の禁止) 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

この規定は、憲法第18条を具体化した条文です。憲法第18条は以下のとおり規定されています。

「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服せられない。」

労基法第5条に違反するとされた裁判例としては、所持金品を取り上げ、外出に際して看視を付け、また就寝時に衣類などを取り上げて逃亡を防止するに及んだ事件(共栄亭事件・水戸地判昭和25年5月29日、同東京高判昭和25年11月28日)や「長期の労働契約をしているのだから辞めては困る。辞めるなら前貸ししてある金や反物を返していってくれ」等と申し向けて就労を継続させた場合(近藤撚糸業事件・名古屋地判昭和25年9月30日)などがあります。
次にいきます。第6条を見てみましょう。

第6条(中間搾取の排除) 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。

この規定は、第三者が使用者と労働者との就業関係に介入して、手数料などの名目で利益を得ることを禁止する内容です。
本条の適用が除外されることになる「法律に基いて許される場合」とは、行政解釈によりますと、①厚生労働大臣の許可を受けて有料職業紹介を行う者が、職業安定法の規定に基づいて手数料等を徴収する場合、②労働者を雇用しようとする者が、厚生労働大臣の許可を得て、被用者以外の者に労働者募集を委託し、その者に報酬を与える場合、③船舶所有者が、国土交通大臣の許可を受けて被用者以外の者に船員の募集を委託し、その者に報酬を与える場合などが該当するとしています。
次回は、労働基準法第7条からですね。がんばっていきましょう!

※ こちらのコラムは商工データ情報 第2262号(2015年2月20日号)に掲載されたものです。

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