2017.01.17

実務で活かす労働法!社長、労働基準法を1から勉強しませんか?

第2回 労働基準法第3条、第4条


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経営者の皆様、こんにちは!弁護士の栗田 勇です。
前回に引き続き、労働基準法の条文を見ていきましょう。
経営者はみなさんお忙しいですから、こんな機会がなければ、労働法の規定をじっくり読むことなどないと思います。
労働者の方が経営者よりも労働法の知識を持っています。日々、勉強です。
では、労働基準法第3条を見ていきましょう。

第3条(均等待遇) 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

この規定は、憲法14条に立脚しているものですね。
憲法14条には「すべて国民は、法の下の平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と規定されています。
ここで注目すべきなのは、労基法3条は、憲法14条と異なり、「性別」による差別を禁止していません。これは、労基法制定当時の労働現場の実情を考慮したものですが、次にみる労基法4条、男女雇用機会均等法や判例法理により、性別による差別的取扱いは禁止されています。
したがって、女性という理由だけで、男性よりも賃金が低いとか、昇格が遅いといった取扱いをすることは違法ですので注意しましょう。
次にいきます。第4条を見てみましょう。

第4条(男女同一賃金の原則) 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

この規定も、憲法14条に立脚したものです。
第4条が、賃金についてのみ男女差別を禁止している趣旨については、立案担当者の解説によりますと、賃金については男女差別の問題が顕著であり、特にこれを是正する必要性が大きかったためであり、賃金以外の事項については差別が許されるという反対解釈を許すものではないと説明されています。この点は、注意が必要ですね!
労基法4条違反の賃金差別の効果としては、まず、これから勉強する労基法13条により、女性に適用されていた差別的な賃金制度が無効となります。
さらに、差別がなかったのであれば得られたであろう差額賃金または差額賃金相当額を請求できるかについては明文の規定はありませんが、裁判例によると、①無効となった賃金制度に代わる明確かつ客観的な規定があれば、労基法13条の類推適用により、かかる規定に基づく差額賃金の請求権を認め、②無効となった賃金制度を補うべき明確かつ客観的な規定が存在しない場合には、勤続年数・年齢の近い男性らの平均基本給との差額賃金相当額を不法行為の損害賠償として認めています。
次回は、労働基準法第5条からですね。がんばっていきましょう!

※ こちらのコラムは商工データ情報 第2261号(2015年2月13日号)に掲載されたものです。

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